親知らずは抜いた方が良い?抜かない方が良い?
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親知らずは抜いた方が良いでしょうか?
それとも、抜かない方が良いでしょうか?
親知らずだから必ず抜かなくちゃダメ、というわけではありません。
どんな場合は抜いた方がいいのか、判断基準についてお話しします。
なお、あくまで当クリニックの基準ですのでご了承ください。
親知らずを抜歯した方がいいケース
まず、親知らずを抜歯した方がいいケースです。
基準は医院によって多少違いはありますので、大体の目安としてお考えください。
親知らずを抜歯した方がいい場合
- 親知らずの周りが腫れて痛むことがある
- 親知らずだけに大きなむし歯ができている
- 変な生え方をしている、または半分埋まっている
- 生えているけど噛み合う歯がない、役に立たない歯
一つずつ説明していきます。
親知らずの周りが腫れて痛むことがある
親知らずでは一番よくある抜歯理由になります。
親知らず周囲の衛生状態が悪くて炎症を起こすために痛みが出ます。
一旦、抗生物質の投与と親知らず周囲の清掃法を指導して炎症を抑えることを試みます。
ご自身でケアができて、再発しない状態を維持できるようなら抜歯しない場合もあります。
しかし、一時的に炎症をコントロールできても、再発を繰り返してしまう場合は抜歯をおすすめします。
半年に一度程度の再発であれば、抗生物質の投与で経過を見ることも可能ですが、
長期的に見たら抜歯した方がいいでしょう。
3ヶ月以内に再発を繰り返すようなら、早めの抜歯をお勧めします。
数ヶ月ごとに抗生剤を服用してまで残すことはお勧めできません。
また、親知らずの周りが炎症を起こして腫れるのは、その部分だけに歯周炎が起こっているのと同じです。
繰り返していくうちに、周囲の骨が溶かされてしまいます。
その結果、親知らずの周りにバイ菌のすみかが増え、より不潔になって腫れやすくなっていきます。
親知らず周りの骨は、一つ手前の歯の骨でもあります。
歯と歯の間の骨は、前後の歯で共有している骨です。
親知らずを無理に残しておくことで、1本手前の大事な歯までダメにしてしまう可能性が出てきます。
残すことによるデメリットが大きい場合には抜歯をお勧めしています。
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親知らずだけに大きなむし歯ができている
次に、知らないうちに親知らずが大きなむし歯になっている場合です。
普段の歯磨きや日常生活では全然気にならなかったのに、
気付いたら大きなむし歯になっていた・・・
この場合は、抜歯をお勧めしています。
他の歯には目立ったむし歯が無いのに、親知らずだけにむし歯ができるということは、
歯磨きはできているのに、親知らずだけは磨ききれないと言うことです。
普段の生活でも、大きなむし歯になるまで気付かないくらい奥に生えていることが多いです。
そんな奥に生えている親知らずの治療をしたとします。
むし歯を削って治療をすると、歯は弱くなります。
今後、他の歯と同等以上にケアできないと、またむし歯になってしまいます。
治療後のケアも困難な場合が多いので、基本的に抜歯をお勧めしています。
ケアが見込めない歯を治療して残しておくことはリスクを残しておくことになるからです。
治療後に良好なケアが見込める場合は、治療して残す場合もあります。
変な生え方をしている、または半分埋まっている
この場合も、基本的に抜歯をお勧めしています。
変な生え方をしている場合も、半分埋まっている場合も、清潔に保つことが難しくなります。
このような状態の歯が、お口の中で役に立っていることは無いでしょう。
つまり、むし歯と歯周病のリスクになっているだけと考えます。
ご自身でのケアができて、周囲に悪影響を及ぼしていないなら経過を見ることがあります。
ただし、周囲への悪影響が現れた場合には、すぐに抜歯をお勧めしています。
生えているけど噛み合う歯がない、役に立たない歯
基本的に上と同じです。
上のケースよりもリスクは低いと考えられます。
ご自身でのケアができているなら、そのまま残しておいていいと思います。
患者さまから抜歯の希望があった場合や、リスクが生じてきた場合に抜歯をします。
積極的には抜歯をお勧めしていないケースです。
以上が親知らずを抜くケースの説明です。
親知らずを抜かないケースは反対の条件になります。
親知らずを抜歯しなくていいケース
- きちんとご自身でケアができる
- 正常に生えていて噛み合っている
この場合には、抜歯の必要はありません。
これまで通り、丁寧に歯磨きしてください。
繰り返しますが、あくまで当クリニックの基準です。ご参考になれば幸いです。